パンフレットとは、「製本されていない冊子」のことで、ビジネスの場ではもちろんのこと、プライベートで催すイベント案内の時など、さまざまな場面で配布されることが多いです。
特にビジネスの場においては、分厚いマニュアルの配布ではコスト面がかさむこともあって、簡潔に会社概要、事業内容、販売商品などをまとめることができるパンフレットを配布することが多いです。
しかし、パンフレット印刷ではおおむねA4サイズで印刷されることが多いためか、受け取った相手からは、「この大きさでは押し売り的なイメージを強く感じてしまう」という意見も出ることが珍しくありません。
著者自身、かつて在籍していた金融業界での営業時にパンフレットを配布しようとしたら、「チラシのほうが気楽」という理由で受け取りを拒否されたことがありますが、そういった心理が働いたともいえることだと考えています。
その現状を踏まえてか、最近、名刺と同じサイズのパンフレット、いわゆる「名刺型パンフレット」を印刷して配布を行うことが多くなっています。
名刺型パンフレットを通常の名刺と比較すると、「名刺サイズで作られた冊子なので持ち運びが極めて簡単である」という特徴が見えてきます。
もともと、名刺のサイズは、「99mm×55mm」を採用しています。この縦横比は「黄金比率」と呼ばれる最も美しい比率に基づいています。
名刺と同じ大きさである名刺型パンフレットもこれに準拠して作成されていますが、この中に上記の特徴に基づいた内容が掲載されているため、通常のA4サイズのパンフレットと比べても持ち運びの差は歴然としています。
名刺型パンフレットの効果は、主に次のようなものが挙げられます。
通常の名刺といえば、1枚で在籍している会社情報をメインに記載されています。
そのため、掲載できる内容が、表面では氏名、会社名、所属部署や役職名、郵便番号や住所、電話番号やFAXなどの連絡先くらいに留まり、あとは裏面に事業内容を記載するくらいに限定しがちです。
しかし、名刺型パンフレットは、それらはもちろんのこと、会社のことに関する情報をより詳細に伝えることができます。
例えば、会社の代表者挨拶、会社の沿革、在籍している社員数および役員一覧、本社および営業所、普段の業務風景を収めた写真などパンフレットならではのものが名刺サイズで確認することが可能です。
もちろん、社員の声や会社が主催しているイベントなど、業務とは関係なくても内部事情が分かる情報なども掲載することは可能です。
このように、通常の名刺だけでは伝わらない情報を伝えることができます。
また、名刺としての一面がある以上、名刺ならではの情報も同時に掲載することも可能です。
例えば、当事者の趣味、家族構成、目標にしていることなどプライベートな情報です。
お堅いイメージを持ちがちな会社情報と共に、プライベートな情報が掲載されていれば、相手も和やかな印象になって、結果として一通り目を通す働きを自然に与えてくれるでしょう。
名刺型パンフレットを受け取る機会は、そうたくさんはないでしょう。
これは、「名刺はあくまで連絡先を紙にしたもの」と考えている営業マンにとって、そのあとの繋がりを持つことの方に意識が傾きがちな上、名刺型パンフレットのコストが通常の名刺よりもかかるのでお金をかけたくないという考えもあってのことです。
しかし、受け取った相手はインパクトのあることはなかなか忘れず覚えていてくれることが多いです。
そのため、数ページにわたる名刺サイズの冊子を受け取ったら、大抵は、「こういう名刺もあるのか」と驚くことが多いです。ただ、渡しただけなのにそういう印象を与えてくれたら、会話も弾みやすくなる可能性は通常の名刺よりは多いはずです。
このように、名刺型パンフレットはその存在だけでも十分な効果を与えてくれるものと期待できます。
それでは、名刺型パンフレットの主な活用事例ですが、主に次のことが挙げられます。
営業をしていると、口コミや紹介だけでは頭打ちになってしまった結果、上司から地区募集つまり飛び込み訪問を命じられて暑い中または寒い中嫌々やることも珍しくはありません。
しかし、現代社会では、会社はもちろん個人宅での飛び込み訪問は、治安の悪化もあってかなかなかハードなことです。
そもそも、相手は警戒心を持っていることがほとんどなため、話しすらもまともに聞いてくれる可能性もそう高くはありません。
仮に運よく担当者(個人宅なら世帯主または家族など)が出てきても、「間に合っている」と門前払いされるのが関の山です。
そのため、少しでも第一印象を良くしておくことが必要になってきます。そこで、この名刺型パンフレットを活用してみることをおすすめします。
話を聞く気がない相手であっても、一度渡すと大抵は見たことない珍しいタイプの名刺だなと思ってそれを開いてその場で拝見してくれます。
しかも、情報量が多いため、もし何か引っ掛かりを感じた情報が掲載されていれば、思わず相手から聞いてくる可能性も出てきます。
そこから、話を盛り上げていき、うまく対応すれば「とりあえずお茶でもしますか?」という動きに発展しやすくなります。
このように、名刺型パンフレットは、相手とのファーストコンタクトの成功率を上げる役割が期待できます。
すでに取引がある相手であっても効果があります。例えば、新商品の案内をするために事前にアポ入れをしたものの、当日訪問したら別件で対応している場面があったとします。
10分程度待つくらいなら応接室に案内してもらえるかもしれませんが、1時間単位で待つとなればその場は引き上げて後日訪問という流れになるでしょう。
しかし、その際、単に新商品のパンフレットを受付にお渡しするだけでなく、そっと名刺型パンフレットを相手の目に見えるところに挟んでおきましょう。
これでまず、先方に対しては、「今まで使っていたタイプじゃない珍しい名刺が挟んであった」という記憶を持たせつつ、「見やすいところに連絡先があったので名刺を探す手間暇がなくて助かった」という配慮に対する感謝の気持ちを持たせやすいでしょう。
もし、この何気ない気配りをしてくれたという気持ちを持ったままであれば、後ほど電話などをした時にスムーズに次回アポ入れもしやすくなる上、商談中に飛び込み訪問と同様に名刺型パンフレットの中身も交えて話が盛り上がる可能性があります。
新規、既存関係なく色々な場面で活用が期待できる名刺型パンフレットですが、実際に作成してくれる業者は、近くにある印刷会社はもちろんのこと、ネット上でも、「名刺型パンフレット」と検索すればたくさん見つけることができます。
このうち、どちらがいいのかは各自の判断になりますが、いくつかピックアップして自分に合った業者を選ぶことが大切です。
なお、ネット業者に関しては次のような特徴を持っていることが多いので、これも参考にしてみてください。
通常の名刺と比較すると、枚数が多いため単価は高いですが、前述の効果と活用事例を考えると、競合他社の配る名刺と共に埋もれがちな名刺を作るよりは、名刺の機能とパンフレットの機能を兼ね備えた名刺型パンフレットを作成して相手にインパクトを与えた方が今後のためになる可能性が高いです。
そのため、「投資」と思ってまずは作成と配布から始めてみましょう。